「先行ってるねー」
「あ、はい!」
先輩はすでに準備ができていたみたいで、先に店内へと向かった。
あたしは荷物をロッカーに置いて、身だしなみを整えると、もう一度息を吸い込んだ。
タイムカードを押すには、城崎さんのいる事務室に行かないといけな
い。
あたしは意を決して、その部屋に向かうと、そこにはパソコンに向かっている城崎さんの姿があった。
「……おはようございます」
「おはよう」
城崎さんは、後ろを振り返らない。
ずっとカチカチと、パソコンを打っている。
その間にも、ジジ……ピッ……、とあたしのタイムカードが押されていく。
そして機械から出てきたタイムカードを元の位置に戻すと、あたしはもう一度城崎さんを見た。