「っつーわけで、早く連れて帰って。
 あと……………」


明は城崎さんに、ごにょごにょと耳打ちをする。

「てめえ!!」


その途端、城崎さんは明につかみかかろうとしたけど、ひょいとそれを避けた。


「それくらい代償ってことで。
 さー、帰った帰った」

「……行くぞ」

「ひゃっ……」


城崎さんは、あたしの腕を掴むと、ベッドから降ろした。

そして怒ったような足取りで、玄関に向かう。


「夕菜」


後ろから、明から名前を呼ばれた。
振り返ると、そこには笑顔の明が……。



「俺も……半年前……
 お前のこと、愛してたよ」



それを聞いた瞬間、溢れる涙。


頭の中の自分は半年前。
だけど着実に時は流れていた。半年という月日。


「あり…がとうっ……。
 あたしも……愛してたっ」


バイバイ。

過去の自分……。