今でも分からない。
こうやって明と話してて、あたしにはどうしても明と別れたという事実を飲み込めない。
まだこんなにも「好き」が溢れてて、明もこうやって優しくて……。
今からでも、またやり直せるんじゃないかな、って……。
「ねえ……明、あたし……」
「言うな」
明は次の言葉が分かったみたいで、それを制した。
その顔は、とても複雑そうで……。
「……だって……っ…」
思わず涙が零れ落ちた。
こんなにも好きなのに、
きっとたぶん、明もあたしのことを想っていてくれているのに……
どうして……
「また同じこと、繰り返されるから」
明は笑った。
とても苦しそうな笑顔で……。
「もう勘弁な」
あたしは、何も言うことができなかった。