「ご…めんなさ……あたしっ……」

「夕菜!」


あたしは堪えきれず、その場を走り出そうとした。

だけど全身打撲と捻挫だらけ。
すぐにあたしの体はよろけたが、それを城崎さんが支えた。


「ったく、あぶなっかしいな」
「……」


耳元でささやかれる声。

心臓がドキドキで破裂してしまいそう。


「は…なして……」
「……嫌だ」


あたしの懇願はむなしく、城崎さんはさらにあたしを抱き寄せた。


「頭で覚えてないなら…
 体で思い出させてやる」

「…んっ……」


強引に口づけられる唇。


あたしの抵抗なんか、簡単に城崎さんに抑えられてて……


「ふ……はぁっ……」


キスだけで、まるで体全部が犯されているみたい。




あたしはこの人を知らない。


だけど……



体がこの人を強く求めてる―――。