あたしを悲しそうな瞳で見つめる彼。


そう……

きっとあたしは、その間に彼と知り合ったことになるんだ……。



あたしの記憶の中では、明と付き合ってた。

プロポーズまでしてもらって
卒業まであと少し。

そしたら、明のお嫁さんになるんだと……


そう願っていたはずなのに……。



「失礼しますっ……」


突然聞こえた声。

あたしはすぐに振り返った。


だって本当は一番聞きたかった。

一番傍にいてもらいたかった。



「ヒロから連絡もらって……。
 夕菜、大丈夫か!?」

「………あきらっ……」



あたしは痛む体を抑えつけ、必死な思いで明に駆け寄った。