先生はすぐにやってきて、あたしの体を一通り診察した。

酸素マスクは外され、ようやく体全体が少し楽になる。


「もう大丈夫です。異常もみられませんし、あとは怪我が治るのを待つだけです」
「よかった……。ありがとうございます!」


先生の説明を受け、お父さんとお母さんは何度も何度もお辞儀をしていた。

あたしはまだ慣れない意識の中で、二人のやり取りを眺めていた。


「もう……本当に心配したんだからね」
「ごめんなさい……」
「丸2日、意識がなかったんだぞ」
「えっ……」


その言葉を聞いて、本当に驚いた。

どおりで、体が重いし、頭がぼーっとするわけだ。


「あたし……」
「待ってて。今彼を呼んだから。彼が病院まで付き添っててくれたのよ」
「え?」


それと同時にノックされる扉。
お母さんの「どうぞ」という声とともに、一人の男の人が入ってきた。