あたしはバカだ。

そんなこと言わずに、賭けに勝ったことにして明に言えばよかった。


あたしと別れてください。
あたしじゃない別の人と、ともに人生を歩んでください。


そう願いたくて
がむしゃらにこのゲームを頑張った。


だけど……


明はきっと分かってたんだ。


捻挫をしているこの腕で
勝てるわけがないと……。


それでもあたしの本当の顔を見たくて……



「……っ…」

「夕菜?」



明の手を握ったまま、うつむくあたしに、明は心配そうに覗き込んだ。