「俺はどっちでもいいよ。
 俺が死んで、一生心に俺と言う傷を作って夕菜が生きるのでも」

「何…言って……」

「夕菜は優しいから……。
 もし俺が、夕菜を想って死んだら、きっと一生俺を忘れられないよね。
 ヒロを愛していても、いつも片隅に俺がいるでしょ」


淡々と面白そうに話す明。


目の前にいる彼は誰……?

本当にあたしが愛した彼なの……?


「夕菜が見張っていてくれないと、俺はいつ、命を絶とうとするか分かんないよ」

「……」


今の彼は、死すら恐れていないだろう……。

それほど、目が怖かった。


(ゆーうなっ!)


あんなにまぶしいくらいの笑顔で笑う彼を
こんなにまで追いつめてしまったのは……
 


「もう一度だけ言うね。
 夕菜、俺の傍にいて。
 俺のところに戻っておいでよ」


「………は…い……」



そう…。

すべてあたしの責任だ……。