「あのっ……あたし、付き合ってる人いるし、男の人と二人で飲みに行くのは……」
「勘違いすんなよ。別にお前なんか酔わせたところで、手を出そうなんて思ってねぇよ」
「……」
「それに何お前。彼氏の為に、自分の生活制限するわけ?
 いるよなー。私は彼氏一筋なんです、って言って、自分では何もできないやつ。
 それで突然彼氏にフラれて、何もかもなくす女って」


それを言われて、自分の中でプツンと切れた音がした。

なんで今日初めて会った人に、そこまで言われないといけないわけ?!
もー!頭きた!!


「わかりましたよ!!10軒だろうと20軒だろうと、何軒でも付き合います!!
 そのかわり、あたし学生だから、全然お金持ってないですからね?お会計はお願いしますよ」
「ふっ…やっと素が出たか」
「え?」


なぜか、怒るあたしを見て、笑う城崎さん。

その顔が、あまりにもかっこよすぎて、一瞬怒りがどこかに行ってしまった。


「じゃあ、付き合え」
「………はい…」


そしてあたしは、なぜかみんなのアイドルとなった城崎さんと、二人で飲みに行くことになってしまった。