こんなの、知らない…。

こんな腕、今まで触れられたことない。


あたしの知っている明の愛撫は
いつも優しくて、温かくて……。


強引に触れられるその手は、あたしに嫌悪感を与えるだけだった。



「や…だっ……やだよっ……」

「夕菜……」



明の瞳は完全に我を失っているようで、
あたしは初めて、明の触れる手が嫌だと感じた。



お願いだから、あたしに明を嫌いにさせないで……。




「夕菜っ!!」




突然、バンと開いたドア。

驚いて顔をあげた先には、裕翔の姿があった。