「あき…ら……」
「あ、夕菜~。おかえり」
明はあたしの姿を見ると、驚くこともせず、笑顔で答えた。
だけどその眼は確実に酔っていて、近づくことをためらう。
「そんなところに突っ立ってないで、こっちおいでよ」
「……」
「ほらっ!」
「ひゃっ……」
明は、半ば強引にあたしの手を引くと、自分の隣に座らせた。
こんな明を見たのは初めてだった。
3年以上付き合っていたけど、明がお酒におぼれる姿なんか見たことなくて
いつもどんなに飲んだって、平常心を保っていられるような人だった。
あたしが明をこんなふうにさせたんだ……。