「ふあ~…ねみぃ」


朝7時。

トーストとコーヒーを食卓に並べながら、裕翔はおおあくびをした。


結局、ほとんど寝られなかった。

というか、寝させてくれなかったというほうが近い。
まあ、あたしも求めてたから同罪だけど……。


「俺は仕事行くけど、夕菜はどうする?」
「とりあえず家に帰るよ。というか、家は基本、土日以外お泊りは禁止になってるんだ」
「え、マジ?」


トーストを一口かじると、裕翔が「意外…」といった顔つきをする。


「誰かさん、平日もあたしを連れ去ってたもんねー」
「……悪い。ってか、お前も文句言わずについてきただろ」
「ふふっ」


ほんと…あの時は、後先のこととか考える余裕なかったな…。
いつも帰ると「連絡くらいいれなさい」ってお母さんに怒られてたっけ。


「あ、あとね……」


コーヒーをすすりながら、言い出しにくいことを話し出した。