「そんな顔すんな」
「あ……ごめん…」
自然と、泣きそうな顔になってしまった。
裕翔は心配して、複雑な顔をする。
「後悔……してねぇか？俺を選んだこと……」
「それはしてないよ。
逆にもし、あの時裕翔を選ばなかったら、そっちのほうが後悔してたと思う」
きっとこれは本当だ。
明を選んでいたら、あたしは一生この先、裕翔への想いをもったまま、明とともにいたと思う。
そっちのほうが、相手に失礼…。
「あたしね……裕翔のこと、どう表現したらいいのか分からないほど好きなの。
言葉じゃ言い表せなくて……この世に存在する言葉にはきっとない。
今までに感じたことがない何かがあって……
どうしても表現するなら……本能から貴方が好き……」
「夕菜……」
言い終えると同時に、裕翔はあたしにキスをした。
