気が付くと、真夜中だった。

隣には裕翔が規則正しい寝息をたてていて
あたしは彼の腕枕で寝ていることに気が付いた。


静寂につつまれる夜。

ふとあたしは左手をあげた。


キラ……


窓辺から差し込む月明かりに反射して
左手薬指の指輪が光った。


「……」


なんとも言えない気持ち。

泣きたくなるのとはまた違っていた。