確か今日は、城崎さんは本社出勤日。
だから店側には来ないはずだった。
「ちょっとこっちで確かめたいことがあってな」
「それじゃあ、すぐに戻るんですか?」
「ああ」
それを聞いて、残念がっているような、ほっとしたような複雑な気持ちになった。
「これでいいんだな?」
「あ、はいっ」
最後の段ボールを手に取って、城崎さんが振り返った。
その瞬間、バチッと目が合う。
「……っ」
城崎さんの顔を見た瞬間、泣きそうになった。
「……どうしてそんな顔してんだよ」
「なんでも…ないですっ……」
あたしは、溢れてきそうな涙をこらえて、後ろを向いた。