「夕菜、ちょっとこのスカート、在庫切れそうだから、段ボールひと箱持ってきて」
「はい!」


比較的暇な日中。
あたしは先輩に言われて、もうすぐ店内から売り切れそうな服を出しに、事務室へと向かった。

事務室の横に、まだ出し切れていない洋服たちがしまわれている。


「えっと……これかな…?」


それは、数段積まれた段ボール。

すごい高いというわけではないけど、欲しい服の箱は、最悪にも一番下にある。


「はあ……全部どかすか…」


あたしは今からしなくちゃいけないことを思うと大きくため息を吐き、上から順に段ボールをどかしていった。


「う…重い……」


服は意外にも重い。
しかもたぶんこれ、ジージャンだ。

 
「んー……よいしょっ!!」

「ほら、貸せ」

「え?」


突然、後ろから声が聞こえた。