「やろうぜ?」
「はい!」


お互いにコインを入れて、対抗モードにする。


「ここから真剣勝負な。何か賭ける?」


少し意地悪そうに笑う明先輩はたぶんあたししか知らない笑顔。

あたしも負けじと強気の笑みを向けた。


「いいですよ?でもこう見えて、あたし中学の時バスケ部でしたから」
「へー、そうなんだ。ま、俺は高校の時バスケ部だったけどな」
「え!?」


自分が有利な立場と思えば、向こうのほうがたぶん有利。
ちょっとだけ怖気づいていると……


「それともハンデやろうか?」
「い、いらないです!」
「ふ~ん」


売り言葉に買い言葉。

でもあたしは、どうしてもこの勝負にハンデをもらいたくなかった。