「明先輩の笑顔は……人を幸せにする力がありますっ…」

「……」

「好きな人の幸せを、素直に願えるのはスゴいことだと思いますっ。
 辛いときに笑えるのは、強いことだと思いますっ……。
 でもっ……」


あたしは溢れてきそうな涙を必死に堪えた。

ここは、あたしの泣くときではないから……。


「泣くことも、辛いということも、悲しむということも必要だと思います!
 しなくちゃいけないことなんですっ!!
 だって……


 涙を流さないと、気持ちはリセットできないから!
 新しい一歩を踏み出せないから!!」


言い切ったとき、涙が頬につたってしまった。



どうして、こんなにも必死になっているんだろう…。

どうして、涙なんか出てきてしまっているんだろう…。



でもどうしても、
明先輩の本当に笑顔が見たかった。