ぐっと目をつむり、私はそれに耐えた。 「藤本さん。今日学校サボらない?」 声も出せず 首を横に振ることしかできない。 「なんで?いいじゃん」 私はかたくなに拒否した。 「…行こう」 木下君は力ずくで私の手首をつかみ歩き出す。 私は踏ん張ってとどまろうとしたけど、男の子の力にはやっぱりかなわない。 遠ざかっていく駅。 もうすぐ先生が来る時間。 少しの希望を胸にして見えなくなるまで駅を見続けた。