先生とはあの日から別に何もなかった。
ただ一緒に楽しい時間を他の子たちよりも共有するだけ。
『他の生徒とは違うから』
たまにこの言葉が頭の中に回るけど…。
今は目の前の授業に集中しなきゃ!!
もうすぐテストあるし。
「じゃあ今日の授業ここまで」
「起立、礼」
「ありがとうございましたー」
授業が終わると肩の力が抜ける。
私は大きく背伸びをした。
「おう藤本。お前さっきの問題分かった?」
「え?あー、私数学苦手なんだよね」
「教えてやろうか?」
「祐樹数学得意だもんね。ぜひお願いします」
「よし!じゃあ藤井先生が教えてしんぜよう!」
「藤井先生って…笑」
私は休み時間の間、祐樹に数学を教えてもらうことにした。
祐樹の説明は分かりやすくてすぐに理解できた。
「茉莉亜!何?数学教えてもらってんの?」
「あっ美紀。うん!祐樹教え方すごく上手なんだよ」
「へぇ…あたしにも教えてよ藤井君」
美紀も加わり私たちは祐樹のプチ授業を受けた。
10分間の休み時間も終わり、次の授業。
「あー英語かよ!俺苦手」
「そう?私得意だよ」
「茉莉亜はキヨちん直々で教えてもらってるからじゃないの~?」
「ち、違うよ!」
そう、英語の担当はキヨ先生。
私は先生が英語担当でよかったって思ってる。