それから私たちはようやく歌を歌い始め
気づくと時計の針は午後10時を指していた。



「っと…10時か。おいお前らもう帰るぞ」


「あたしもっと歌いたいよおおお」


「清水…何場酔いしてんだよ。風呂の中で歌ってろ。帰る準備しろよー!ここは大人の俺がおごってやるから」


「キヨせんせぇー」


「抱きつくな馬鹿!おい男子共!!!こいつ外に運び出してくれ」





男子は先生に言われるまま暴れる清水さんを外に連れて行った。



そのあとに続くように他の子もボックスを出て、
残ったのは私と先生と美紀。



「じゃあ帰ろっか茉莉亜」


美紀の言葉に私はうなずく。



「あっ、先生」


「ん?どしたのまりあちゃん」


「本当にお金払わなくていいんですか?」


「何心配してんの!俺大人!社会人!カラオケの金くらい持ってるよ!」




先生は笑いながらそう言った。



「甘えよーよ茉莉亜!あたしもちょうど今月ピンチだったし、タダでカラオケこれてラッキーって感じ♪」


「う、うん」