今日も平凡に時間が過ぎてゆく。
もちろん、皆が私を見る目は変わらないけれど。
「今日竜也とクレープ食べに行くんだけど…茉莉亜も行かない?」
「んー…今日はいいや!二人で楽しんできて」
「そう…?分かった…」
「美紀ー?」
「今行くー!じゃあまた明日ね。茉莉亜」
「うん、また明日!」
スマフォを取り出し
前、先生を撮った写真を見た。
「先生の家に初めて泊まった時の写真…。ふふっ。先生には内緒で寝顔隠し撮りしてたんだっけ」
他にも私と先生が仲良くうつっている写真。
全部が走馬灯のように駆け巡る。
そして、今。
家族にも先生にも迷惑をかけたあの日のことを思い出す。
…あの時は雪が降ってなくて良かったけど、降ってたらって思うとぞっとする。
本当に死んでいたかもしれないもんね。
「最後に先生と会ったのはあの日か…」
スマフォの画面を撫でながら呟く。
「よし!」
私は気合いを入れて、椅子から立ち上がった。