「じゃ!また電話するからな」


「はい、待ってます」



先生は私を家に送り届けてくれたあと、また駅に向かって行った。







…校長先生に、家庭にも連絡しておくと言われたんだっけ。



私は怒られる覚悟で家の中に入った。



「ただいま~…」


「茉莉亜。こっちに来なさい」


「…はい」



家の中にはお母さんが一人だけ。

まだ昼間を少し過ぎたくらいだから、お父さんもお兄ちゃんも帰ってきていない。




私はソファに座り、そっとお母さんの顔を見た。


「…茉莉亜」


「お母さんは…反対なの?」


「…」


「私とキヨ先生。旦那さんになってくれればいいのにって言ってくれてたよね?キヨ先生はいい先生だって言ってくれてたよね???」


「…」


「先生と恋しちゃいけない?…年齢なんて関係ないよね」


「茉莉亜…」


「お母さん私は「茉莉亜、聞きなさい」




お母さんには反対してほしくなくて、
必死に反論の言葉を一方的にぶつけていた。




「恋をするのは悪くないわ。清川先生がいい人なことも、ちゃんと分かってるわ」


「だったら…お母さんは許してくれるよね…?」










「…許して茉莉亜。やっぱり、賛成はできない」