「どういうことだね」



私と先生は今校長室にいる。

もちろん理由は例の張り紙。




「この騒ぎは一体なんなんだ」


「…」


「黙っていちゃ何も分からないだろう?」



先生はずっと黙ったまま下を向いている。




…昨日の放課後。

先生とキスをした時の写真が撮られていて、その張り紙に貼ってあった。






私と先生が朝登校してきたときから

すれ違う人たちの目がすごく痛かったのを覚えている。





「…清川先生。少し聞き方を変えようか。彼女とはどういう関係なんだね」



校長先生は優しい声でそう問いかけてきた。

「恋人です」


「…ほう。生徒と恋愛をしているのか」


「はい。ですが…彼女だけです。張り紙には色んな生徒に手を出していると書かれてありました。あんなの嘘っぱちです」




先生は凛としてそう言った。

…校長先生はにっこりとほほ笑みうなずいた。





「それならいいんだ。でもな、世間の目は厳しい。分かるか?」


「…分かってます」


「わしは恋に年齢は関係ないと思っている。…だが、今お前たちは先生と生徒だ」


「…もちろん、それも分かっています」


「清川先生。君は当分謹慎処分だ」


「はい」