「あ、あたしが茉莉亜の代役!?そんなの無理だよ!!佐藤君も何言ってんの!?」
佐藤君にはこの計画のこと伝えてはいなかった。
でも…。
「僕は知ってます。仲村さんが誰よりもこの台本に目を通していること」
佐藤君はまっすぐと美紀の方を向いていた。
きっと美紀がステージに立って演技をしているところ、佐藤君も見たことあるんだろうな…。
「美紀…私、美紀にならお願いできる。私にはきっと明日ステージに立つことできないと思う。だから…頼んでもいいかな?」
私は今にも消え入りそうな声で美紀にそう問いかけた。
「…茉莉亜」
美紀は私と佐藤君を交互に見る。
「俺達をここまで引っ張ってくれた仲村にしかきっとできないよな」
「あたしたちからもお願いっ!!」
「…ここまできたら劇を成功させようぜ!仲村さん!」
周りのクラスメイト達も口々にこう言ってきた。
そして…。
「仲村さん。君にしかできないんだ」
佐藤君が美紀の手をとった。