「ここの公式はこうじゃん?だから…」
先生は英語の担当だけど、他の教科もなんなくこなせるらしくて本当に尊敬する。
嫌いでほとんど終わらせてなかった数学の宿題も、もうすぐ終わる。
「分かりました!!この答えであってますか?」
「あってるあってる!やればできんじゃん」
先生に頭をポンポンと撫でられ、私は上機嫌。
「先生の説明が上手だからですよ♪」
「照れるから…!んなこと言うな!」
少し顔を赤らめている先生。
…可愛いなんて言ったらきっと怒るよね。
「まりあちゃんはさ、いつまで俺のこと先生って呼ぶの?」
先生は急にそんなことを言ってきた。
しかもすごく至近距離で…。
「先生…近いですっ」
「わざとだよ。それにほら、また先生って言った」
「だって…。先生以外になんて呼べばいいんですか?」
「恭介」
「そ、そんな!!名前でなんて呼べません!しかも呼び捨てなんて…」
「恋人同士って名前で呼び合うもんじゃないの?」
先生の息が耳にかかった。
背筋がぞくぞくっとする。
「…キヨくん」
私は思わずそう言っていた。