花火の音が遠くに聞こえる。
本当は近くで打ち上げられているはずなのに、今の私には先生の鼓動音が近くにありすぎて聞こえずらい。
暑い夏なのに、
先生と密着していても暑くない。
…むしろずっとこうしていたい。
本当に叶ったんだ。私の恋。
絶対に叶うはずがないと諦めていたのに。
「先生…」
私は先生を見上げる。
「…本当は告白するつもりなかったんだけどなー」
「そう…なんですか?」
「悩んだ悩んだ。先生が生徒に手なんか出しちゃ駄目だろ?」
「キヨ先生は、先生に見えにくいですけどね笑」
「言ったなこの野郎」
先生は私の頭をぐりぐりと押してくる。
「い、痛いですっ」
「好きだよ」
「先生は卑怯ですね…」
「そうか?笑」
「…私も、好き…です」
「言われなくても分かってたよ。バーカ」
「馬鹿でいいです!」
私はまた思い切り先生に抱きついた。