「あの…あたし…」
祐樹は何かに気付いたかのようにうつむいた。
「あたしね…?」
「仲村…」
「藤井君のことが好「仲村…!俺、聞いてほしいことあるんだ」
美紀の好きという言葉を遮るように
祐樹は美紀に話し始めた。
すると、何を思ったのか
先生は私の腕を引っ張り、二人からどんどん離れていく。
「先生?まだ二人の結果見終わってないですっ…!」
「ここから先はあいつらの問題だ。後は親友の口から聞くべきだろ?」
「あっ…そう…ですね。盗み聞きなんて駄目ですよね!」
「っていうのは口実なんだけど」
「口実?何の口実ですか?」
夜空に満開の花が咲く───。
私はそれと同時に先生に抱きしめられていた。
「ごめん。まりあちゃん」
「…っ!!」
「俺さーまりあちゃんのことやっぱ好きだわ」
先生と生徒。
越えられない壁。
ごめんなさい。
私は今日その壁をぶち壊します。
私は先生の気持ちに応えるように強く、強く抱きしめ返した。