~♪…ピ
鳴り響く着信メロディーを途中で遮断するように通話に出ると
『響輔っ!どないしたん!!朔羅は!?』
と開口一番、耳に当てなくても十分な音量で怒声が聞こえてきた。
さっきの―――カイとか言う男の声に違いないが。
「キョウスケなら伸びてる。安心しろ。
死んではいない」
まだ首を項垂れて座り込んでいるキョウスケを見下ろし、冷たく言い放つと
『朔羅!
お前どないしたん……
響輔に何したんや!!!』
さらに大きな声を聞いて、私は目を細めた。
こいつも私の
敵
‟あの男”の声じゃない。
私が従い私を突き動かすのは‟あの男”だけ。
そして私が求めるのはもう一人の‟黄龍”のみ――――
その二人の男以外は全員
敵だ