あたしが何を思い、どんな気持ちでこの言葉を言ったのかキョウスケがいち早く勘付いたみたいだ。


「…お嬢!もう分かりましたから」


キョウスケがあたしの前に立ちふさがり、戒の姿を隠すようにあたしの両肩を手に置いた。


「どけ!キョウスケ!あたしの邪魔すんじゃねぇ!」


でも





――――同じだけ残酷で冷たいものはあたしの中にも眠っていた。





あたしはキョウスケを押しのけ、


何だろう、この感覚―――


前にもあった。



そうだ、叔父貴と言い合ったときだ。


戒が急性胃炎で入院したとき、あたしたちは保護者によって引きはがされ、その勝手な大人たちの対応に腹を立てていた。


感情のコントロールが効かないんだ。


その残忍で冷たくて汚い部分があふれ出る。


止めようもない勢いで、どんどんと―――


流れる。




「聞いてんだよ!



お前は分かるのかって!!





雪斗んときと状況は違うし、立場も違うだろうけどな!!






やろうとしてることはあいつのしたことと大差ねぇんだよ!!!」




あたしは言ってはいけない一言を言っちゃったんだ―――