「何考えてんだよ。相手は子供だぜ…」


あたしの声は弱々しく、


「それはやめようよ」


と伝えたかったのに、戒はあたしの言葉を遮断するかのように視線を戻しただけ。


「やめろよ…」


もう一度言った。


絶対に聞こえているはずなのに戒は口を閉ざしたまま。


そこまで頑なだったら、あたしだって穏やか(?)でいられない。





「やめろ!っつてんだよ!!


お前っ!何考えてやがる!!





いくら相手が殺し屋だからって子供を巻き込んでいいはずがない!」




思わず怒鳴って戒の胸倉を掴むと


「お嬢!」


キョウスケがあたしの肩を引き戻し止めに入った。


いつもならこの一言で収拾が付くってのに、戒はあたしの手首を握って


はじめて向ける険しい視線で睨んできた。





「それしか方法がねんだよ。今回のメールは収穫だった。


今はまだあいつがスネークかどうか判明してねぇけど、少なからず何かに関与しているのは確かだ」