距離を―――…


それは叔父貴の本音―――?





「距離を縮めたかったら、何で戒をあたしに近づけたの?」





だからあたしも本音で聞いた。


『朔羅、その質問は…』イヤホンから戒の声が聞こえてきて、止めるよう指示があったが、あたしはそれを無視してさらに勢い込んだ。


結果あたしは戒を好きになったからいいけど。でも納得いかねんだよ!


「ねぇ、何で!


叔父貴が望む関係で居たかったら、何で戒の嫁になれなんて言うんだよ!



それとも戒との結婚はうわべだけで、あたしに叔父貴の愛人になれってつもりか!」




『朔羅!』


戒の制止する声が聞こえてきた。


でも


今目の前で向き合ってるのは戒じゃなく、





―――叔父貴だ。





「そんなつもりはない」



叔父貴はいつもの調子に戻って冷たく言うと、あたしから顔をそらした。


「納得いかねぇんだよ!


戒の嫁になれって言っても、今日は戒に隠れてこそこそ誘ってきたり!


矛盾だらけなんだよ」



「黙れ…」


叔父貴は忌々しそうにグラスを乱暴に傾け、


「命令なんて聞かない!あたしは叔父貴の…」


バシャッ!


ガタン!!


水をぶちまける音と、グラスがテーブルに転がった音が聞こえて





あたしは叔父貴の唇で、自分の唇を塞がれた。





―――…!!