ゥ゛ウ゛~~!!
覆面パトはとうとうサイレンを鳴らして、本格的に追いかけてくる。
『そこの黒いセルシオ!止まりなさい!』
「ちっ、しつこいな。まだ追いかけてくる」
鴇田はなおもスピードを上げ、
「追跡をやめさせる。鴇田、ポイントD地点は経由するな」
「どうするつもりで?」
キョウスケが後ろを気にしたように叔父貴に聞いた。
「任せろ。追い払う」
叔父貴はインカムのイヤホンを押さえながら
「俺だ、サツに追われてる。警察署から尾行されてる。
今から60秒だけケータイの電源を入れる。GPSを作動させて俺たちの居場所を知らせるから追い払え。
61秒目からは再びケータイを切る」
叔父貴は誰に指示してるのか分からないけれど、スーツのポケットからスマホを取り出し言った通り電源を入れた。