「何度傷つこうが、バカみたいに君たちの前で明るく振舞ってるのは素じゃないさ。


でも一々暗くなってたら、君たちがこっちを向いてくれる?


そうじゃないだろう?」





以前―――戒が言ってた。


こいつは誰も好きじゃない。誰も信じてないんじゃないか、


そう言ってたけど、



そう見えてただけで実際は違ったかもしれない。






「大体さー、『ごめんなさい』て良い方だよ??


僕なんてヒヨコちゃんにはゴキブリを見るような目つきで見られてるんだから~。


人間扱いすらしてもらえないんだよ~」


タイガはいつものようにへらへら笑ってリコの前で手をふりふり。


「それは……あなたがあまりにもしつこいじゃないからですか…?」


リコも言い返し、


「それもあるけど~隙あらば押し倒そうとしてる下心が駄々漏れなんだよね、きっと」


タイガは腕を組んでう゛~んと唸る。


お、押し倒す!?


キョウスケ…苦労してんな。


「さすがに女の子(うさぎちゃん)相手にはジェントルで行こうかと思うけどネ♪


でも男の子相手だったら本気でイヤだったら蹴り飛ばすぐらいするだろうし」


実際戒にも蹴り入れられてたしな。





「大体さー、小悪魔ちゃんはまだまだ脈があるって。


ヒヨコちゃんはどう考えてもストレートだし、そう考えると男の僕は選んでもらえない確率が大きいんだよ?」


「そうだよ!」


あたしもそれには同意。


それにキョウスケ、リコのことタイプだって言ってたもん。