パフェが運ばれてくる間リコはまたも泣き出し、宥めるが必死だったあたし。


途中、親友の失恋にあたしまで悲しくなってきちゃって思わず涙ぐむと




「で?小悪魔ちゃんは一回気持ち伝えただけですぐ諦めちゃうの?」




と、隣で話を聞いていたタイガがいつになく冷たい声で一言。


タイガ!いくらリコが嫌いだからってこんなときまでっ!!


と怒りだそうとしていると





「見損なったよ、小悪魔ちゃん。


君は僕の良きライバルだと思ってたけど。



そんな簡単なことでリングを降りようとする君をライバルと思っていた自分が恥ずかしいよ」




タイガはいつものへらへら軽い口調ではなく、その声にまったく温度を感じられなかった。


「おいっ!てめぇ!言わせておけば随分なこと言いやがって」


リコは傷心中なんだよ!


その傷だらけのハートにさらにナイフを突きたててどーするつもりでぃ!!


堪えきれず席を立ち上がりタイガの胸ぐらを掴むと、タイガは真剣なまなざしであたしを見据え、あたしの手にそっと自分の手を重ねてきた。




「僕は君たちに拒絶されたことは一回や二回なんかじゃない。


いくら嫌われようと、僕が好きな気持ちに代わりはない。




だったら受け入れてくれるまで突進あるのみだろう?」





「誰もがお前みたいな単細胞じゃねぇんだよ!拒絶されたら傷つくし、悲しくなるんだよ!」


あたしが思わず怒鳴り返すと






「僕がいつも傷ついてない、悲しんでなどいない。


君はそう思ってるわけ?




それは思い違いだよ」





またもそう返されて、あたしは思わず目を開いてタイガの襟元を掴んでいた手を緩めた。