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そんなわけでタイガとわぁわぁ揉めながらも、(一方的に喚いているのはあたしだけ)目的のファミレスには十分で到着した。


リコはすでに到着していて、窓際のボックス席で俯いてアイスティーを飲んでいる。


「リコ…」


声を掛けるとリコは充血した目であたしを見上げてきた。


涙の跡が痛々しく残っている。


電話を切ったあとも相当泣いていたに違いない。


「どうしたんだよ、キョウスケと何かあったのか…?」


おずおずと聞くとリコはテーブルに突っ伏して泣き声を上げた。






――――――「キョウスケに失恋したぁ!?」





まったく予想してなかった言葉にあたしはびっくりし過ぎて口を大きく開けたまま。


かなりの間抜け面だったと思う。


だって告白だぜ!?


リコ…二人きりになるのも恥ずかしそうだったのに。いきなり飛ぶなー。


「好きだって告ったら、『ごめんなさい』て。たった一言、それだけ。


ワケを聞いても何も答えてくれなかった」


ヒックヒックとしゃくりあげながらリコは涙で濡れたハンカチで目元を乱暴に押さえる。


「それは納得いかないよねー…」


あたしのすぐ隣で、さも当事者のように神妙な顔で頷くタイガ。





…………




「てか…なんっでおめぇが当たり前のようにここに居るんだよ!


さっさと帰れっ!!!」