私の名前は池内 遥(以下、私)。

今日は、私の働いていたバイト先に居る、とても貴重な男性を紹介したいと思います。

彼の名は、竹中 俊一さん(以下、彼)。
彼は、フルタイムで働くスーパーアルバイトです。

彼はとにかく真面目な人間で、扱いづらい程にすこぶる融通が利きません。

世間では、彼の様な人間を生粋の真面目、『生真面目』と言います。

否、しかし……。

彼は少し違います。

生粋の真面目人間な彼は、ただの生真面目ではもはやありません。

『生真面目』と言う単語があるという事は、世の中にある程度そのような人間が存在し、それらの総称である事を意味します。

少なくとも、生粋の娘である『生娘(きむすめ)』や、ドが付く素人である『ド素人』と同等位の人数の生真面目が世の中にはいるはずです。

言葉があるんだから……。

でも私の知る限り、彼のような生真面目人間は二人と存在しません。

いや、知らない所にも居っこないのです……。