「じゃあな。」


そう言って背を向けて歩き出した友哉。



…いかないで。


その一言がどうしても言えない。



明日もあるんだし…。

そんな諦めグセが後悔させた。



どんどん友哉の背中は小さくなってき、
もう見えなくなった。



「はぁー…」


ため息をつくと…

もうすぐで春だと言うのに、
息が白くなっていた。




そんな時…

ブーッブーッ…

携帯が小刻みにふるえた。


ピッ…

ディスプレイもろくに見ずに
電話に出ると、


『もしもしー』


亜紀の明るい声が聞こえた。

『…あ…から……う……』


他にもいっぱい人が居るらしく、
ガヤガヤしてて聞き取りずらかった。


『だから、明日から家に泊まりにこない?他にもいっぱいメンバーいてさ、嫌じゃなかったら来て?』



断る理由なんてないし、

明日は休日だから
「行くね?」と伝えた。



1人でもどうせ暇だったし…