次の日。


「・・・おはよう」


「・・・はよ」


祭りの時みたいに気にしていないなんて都合の良すぎることはなかったらしい。


思ってはいたが、案の定柚希は俺に対してギクシャクしてる。


俺も変に意識してぎこちなくなってしまう。


俺が気にしない奴ならどんなに楽なことか・・・。


だが俺はそんな器のでかい奴じゃない。


真理奈なんか、今日まだ一言もしゃべっていない。


哉斗も少し緊張してるのか、さっきから苦笑いばかりだ。


旅行二日目でこんなって・・・最悪すぎる・・・。


「・・・まぁ、今日は自由行動の日だし、行きたいとこあるんだろ?
行こうぜ?」


「そ、そうだね!
早く行かないと混んじゃうもんね!」


妙にテンパりすぎの柚希が珍しく、小さく笑ってしまった。


いつも自信たっぷりな性格はどこへ行ったんだか。


「・・・空くん、どうかしました?」


「え?あ、いや何でも」


一人で笑っているのがバレたのだろう。


隣にいた真理奈が不思議だと言わんばかりの顔で覗いてきていた。


少しびっくりした。


真理奈とは朝挨拶をかわしたぐらいで終わったからそっちから話しかけて来るなんて思ってもいなかった。


「で、最初はどこに行く?」


無理に盛り上げようとがんばる哉斗は笑顔で俺たちに聞いた。


「俺は特に行きたいところないけど・・・」


「あ、私秋葉行きたい!」


「え、早速秋葉!?」


「妹に頼まれてるのよ、うたプ〇のポスター買ってきてねって」


「お前の妹ってまさかヲタ・・・」


「違うわよ!」


即答されてしまった。


「まぁとりあえず最初は柚希ちゃんの行きたい秋葉に行こう」


みんな納得して、俺たちはまず秋葉に向かうことにした。