部屋から出てきたのは風呂から上がった後なのか、髪が濡れている柚希が出てきた。
「あれ、哉斗くんに空くんだ。
さっそく遊びに来てくれたの?」
いつも見る制服姿の柚希とは違って、なんだか大人っぽく見えた。
風呂から上がった後だからかな・・・。
「まぁ入って入って。
先生に見つかるとめんどくさいし」
「それじゃ、おじゃましまーす」
「おじゃまします・・・」
女子の・・・と言ってもホテルのだけど、何だか緊張するな・・・。
女子の部屋に入るのは柚希の部屋いらいだ。
おまけに今回は真理奈もいる。
「真理奈ちゃん、空くんと哉斗くんが遊びに来てくれたよ!」
髪をタオルで拭いていた真理奈に柚希が言うと、真理奈は顔を赤くしながら
「え、え!?あ、遊びに!?
ど、どうしよう、こんな恰好なのに・・・」
と恥ずかしそうに髪を拭いていたタオルで顔を覆っていた。
「二人とも、どこでもいいから適当に座って」
柚希は髪を乾かすのか、ドライヤーを持って俺たちに言った。
お言葉に甘えて、俺たちはソファに座ることにした。
「ちょっと待ってて。
私と真理奈ちゃん今から髪乾かすから」
「ん」
10分後。
「お待たせ!」
「待ってました!」
「おい」
「さて、何する?」
髪を乾かしてきた二人は、俺たちが座ってるソファとは反対側のソファの前に立ち、真ん中にあるテーブルを囲むようにして座った。
「やっぱ修学旅行の定番と言ったらこれでしょ」
哉斗がポケットの中に入れてたのか、ポンッとトランプの箱がテーブルの上に置かれた。
「トランプか~、いいね!
じゃあ何からする?
ババ抜き?大富豪?それともポーカー?」
「んー、種類はたくさんあるけど、最初はやっぱみんな知ってるババ抜きからしよう」
「うん。じゃあ持ち主の哉斗くんがくばってね!」
「えー、俺ー?」
「うん!」
柚希はすごく楽しそうに笑顔で返事をした。
哉斗は渋々としかたないなーという感じでカードを混ぜ、みんなにくばっていった。