その夜。


「空ー、次風呂入れー」


「んー・・・」


俺は今日一日でぐったり疲れてすでにホテルのベットで横になっていた。


「空ー、早く入れよ?
そのままだと寝ちまうぞー」


同室の哉斗が濡れた頭を拭きながら隣のベッドに腰掛ける。


「・・・哉斗ー、あと五分後に起こしてくれー」


「はあ?今すぐ入れよ。
俺今から真理奈ちゃんとこ遊びに行くから無理」


なん・・・だと?


確か真理奈の部屋は柚希もいるんだっけ?


あの二人なら普通に哉斗を招きそうだな・・・。


くそ、眠いし疲れてるし、体だるいし、今動きたくない気分だけど哉斗一人柚希たちの部屋にあげるのは何か嫌だ。


「俺も・・・行く」


「え?」


「俺も行くからちょっと待ってろ。
すぐ風呂から上がる」


そう行って俺は重たい体を起こし風呂場へ行く。


風呂で寝たら死ぬかな・・・。






「よし、上がった!」


最短記録、10分。


家でもこんなに早くあがらねぇよ。


「じゃ、空も上がったことだし、さっそく行きますか」


消灯時間まであと20分。


男子の部屋と女子の部屋は5・6階と7・8階に別れている。


しかも男子も女子もお互いの部屋に遊びに行くのは禁止だった。


まぁ、守る奴なんて半分以下ぐらいだろうけど。


俺たちは先生にばれないように慎重に柚希たちの部屋に進んで行った。


そしてこっそり部屋番号を聞いていたらしい哉斗は右の一番奥にある扉の前で止まり、ノックをした。