ゴンッ。


「いてっ・・・!」


頭を窓にぶつけたのか、痛みで目を覚ました。


「んー」


「あっ、空起きた?」


「哉斗・・・。もう着いたのか?」


「あぁ、ちょうどな。
ほら、降りる準備しろよ」


「あぁ」


ちょうど起こそうとしてくれていた哉斗にそう言われ、俺たちは上に置いた手軽な荷物を降ろしたりなどした。



「さぁ、遅れると大変だ。
みんなちゃんと先生に付いてくるように」


先生はみんなをロビーに集め、注意事項だけ言うと荷物を預ける所へとみんなを誘導した。


「金属物は持ってないなー?
知ってると思うけど、持ってたらそこの盆の上に置いて通るように」


俺たちは大きい荷物を預け、よくテレビとかである全身検査をしてから椅子に座って出発時まで待った。


「うわ~、人生初の飛行機だからかな!?
すごくドキドキする!」


「私もです・・・」


バスの中で一睡もしていないらしい柚希は真理奈と楽しそうに飛行機に乗ることで盛り上がっている。


「柚希寝てないのに元気だな」


「だって飛行機だよ!?
東京だよ!?
寝てなんかいられないって!」


興奮気味に語る柚希はどこかのセールスマンのように思えた。


『間もなく東京行きの便が出発いたします。
お乗りのお客様はお忘れ物がないよう、ご注意ください』


たわいもない話を四人でしていると、出発の時間が近づいていた。


「みんな、先生がさっき渡した切符があるだろ!?
その席に座るんだぞー」


みんなに向けて言う先生は、見本を見せるかのように一番に飛行機に乗り込んだ。


「俺たちも行こう」


他のお客さんと共に飛行機の中へ次々と入っていく。