大丈夫も何も、

俺が行くしかないのだから

他にどうしようもないのだが。



ユイを守りつつ、

カルの救出を行う。


そう考えると、

ユイは俺と行動するよりコウと行動する方が安全だろう。


それに、

二手に分かれなければ時間がかかりすぎてしまい、

それだけ見つかりやすくなる。


そうすると必然的に

ユイとコウ、

そして俺一人となってしまう………。



大丈夫かどうか考えてもしょうがない

そう自分に言い聞かせて城の秘密通路へと向かった。



秘密通路は、

国王や側近の緊急時用の避難通路で

ほとんど知っている人がいない通路。



だから人に会うこともなければ、

見つかる心配もほとんどない。


その通路を使い、

俺たちは城へ向かう。



通路はずっと閉ざされていたから

ネズミなどの生き物はいないものの、

もう何年も使われていないようで、

とても汚かった。



長い長い通路を歩き続け、

ようやく通路の出口が見えてきた。



通路の出口から出る前に、

俺はユイとコウに言った。


特に話さないといけないことがあるわけではなかったが、

何となく話しておいた方がいいような気がしたから。