俺は真っすぐ正面から

城の方へ走って行った。


「あちゃぁ~
アイツだめだ……」


コウがそう言って、

俺に向かって水筒を投げた。


見事に水筒は、

俺の後頭部に当たり

俺は頭を押さえてうずくまった。


「何真正面から行こうとしとるんや……
たとえ魔法かけとるとはいえ、
なるべく見つからんようにせなあかんやろ………」


「痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い」


俺は頭を押さえながらぶつぶつ言い続けていた。


「すまんかった……
お前足速いから、
物でもぶつけないと追いつけんから……」



コウが(俺でもわかるように)、

簡単に作戦を説明した。



-


城の『緊急避難用秘密通路』を使い、

城に侵入した後、

ユイとコウで地下牢の鍵を手に入れるため、

中央塔へと向かう。

俺は城内の特別塔に行き、

地下牢へと向かいカルを連れ出す。


できるだけ人との接触を避け、

気付かれないように救出をすること。


-


という作戦だ。

ユイやコウは頭いいし、

コウには運動神経と行動力

があるから何とかなるかもしれない………。



問題なのは俺の方だ………


俺一人で本当に大丈夫なのだろうか……?