宿に着くと、

俺たちは食事を済ませた。


今日はいろいろあって

とてもお腹が好いていたから、

食事が今まで味わったことのないものかのように美味しかった。


食事を終えてお腹いっぱいになった俺たちは、

ロビーでくつろいでいた。


俺は気になっていたことを聞いてみた。



「コウは本当に、
一緒に俺達と旅をするの…？」



「おう！！
お前を見てると昔のこと思い出すんだ…」


コウは窓の外の遠くを見つめていた。


そのコウの横顔はどこかさびしげで、

とても悲しい顔をしていた…。



「昔…俺がまだ小さかった頃……
俺にとって一番大切な人ができたんだ…。」


コウは話し始めた。


俺とユイはコウの話の中に入っていった。



「小さいころの俺は、
臆病者で勝手で、
みんなに迷惑ばかりかけていたんだ…
だけど、あいつそんな俺を変えてくれたんだ」


コウの顔が少しだけ、

微笑んでいるように見えた。


「あいつと俺はいつも一緒にいた。
いろんなことした…
よく喧嘩もしたけど、
俺たちは本当に仲が良かった……」


コウと俺が、

コウの大切な人とカルが

重なって感じた。


俺たちとよく似てる……


コウの話は続いていた。

「あいつのおかげで俺は大きく変われた。
でも……、
俺は弱いままだった……
ずっとあいつに支えられてばかりで…」