「コウ!!
大事なこと忘れてないか?」


「大事な……こと………?」


全然気づいてないし……


「ユイがどんな人かってこと……」


コウの動きが止まった。


「ん……?
ああっ!!」


やっと理解したか……


「ユイは銀髪の女の子……
ん……?茶髪だった。」



「なんだそれ?
銀髪って言ったり
茶髪って言ったり
意味わからん……」


「ちょっと
わけがあって……」


「わけ……?」


「ごめん……」



コウは本当にいい人で、

信頼できそうな人だけど……

だけど……



「まぁいいや!
茶髪の女の子だな?
ここらで茶色の髪はすくないから
見つけやすいだろっ!!」



そう言うと、

コウは俺に笑顔を見せて

走り去ろうとした。



コウは優しいな……

何も言わなくても

俺の気持ちを分かってくれて……


問い詰めたりなんかしなくて……


俺を信じてくれて……


「ありがとうっ!!」