「すっすみません!!」


俺は尻もちをついたまま

その人に謝り、

立ち上がろうとした。



「大丈夫なんか?
そうとう真剣な顔しとったけど……?」


そう言いながら

俺に手を差し伸べてきた。



とても大きな手で驚いた。


手を差し伸べてくれたその人は

赤っぽい黒色の髪で、

すこし派手な服装をしていた。

整った顔で

男らしくてかっこよかった。


なにより、

瞳に優しさがあらわれていた。




俺はその人の手を借りて、

立ち上がった。



「大丈夫です。
ありがとうございました。」


そうお礼を言って

立ち去ろうとした時、

その人が後ろから

俺を呼びとめた。



「あぁ~もう!!
気になってしょうがないわ!!
んな真剣な顔しとって、
何もないわけないやろ!?」


本当に優しい人なんだな。

その人がどんな人かは瞳にあらわれる。

俺はそう思った。


「人を探しているんです……
俺の大切な人を……」


その人は俺の目を見つめてきた。