俺は、

ずっとユイを抱きしめ続けていた………



何も言わず、

ただ抱きしめた………



空にはきれいな星が

浮かんでいて、


大きな月は

俺たちを見て微笑んでいるようだった…。



たぶんユイは、

不安なんだろう………



怖いんだろう………


いつも強がって、

大人に見せているけど………



本当は…………


本当は…………


ユイは耐えていたんだ………


凄くすごく怖い気持ちを押し殺していたんだ………



俺はユイの顔を覗き込んだ……。



ユイは泣き顔のまま、

俺を見つめた……。



俺はユイの不安を少しでも取り除いてやろうと思った……。


いや………



ただ俺がしたかっただけなのかもしれない…………




雲ひとつない星空の下、


俺はユイの唇に


優しいキスをした………。