俺は男の手を振り払うと、

ユイのもとへ走って行った。



俺を止めようと

数人の男たちが俺に向かってくる。


俺は男たちを素早くよけて

ユイのもとへ……

走っていく。



ただ……


ただユイだけをを見つめて……



「ユイ!!」


俺はユイの名前を呼んだ。


力強く、


そして大きな声で。


俺には小さな力しかないけど……


だけど………


いつかは大きな力を持って……



大切なものを守れるように……



大切な人を守れるように………



そうなりたい!!


だから、

俺は大きな声で

ユイの名前を呼んだ。


ユイは涙ぐんだ目で俺を見つめた……。



ユイ………


ごめんね………



俺には小さな力しかなくて……

でも、

絶対、俺がユイを守ってみせるから。