俺の頭の中を


なんで……


どうして……


その言葉がぐるぐるぐるぐる回っていた……。


俺は黒いスーツの男に、

腕を引っ張られた……。


俺の頭は、

もう完全に言うことをきかなくなってしまった……。



もう動かなくなってしまった……。


ユイ…………


ごめんね……


俺…………


俺に力がないばっかりに………




俺はスーツの男に、

引っ張られるままに

歩いて行った……。



どこへ連れて行かれるのかな……?


もう………

もうどうだっていいや………


その時、

ユイが叫んだ。


「ノイさん!!
助けてよ!!
いつだって助けてくれるって言ったのに!!」


確かに聞こえた……

確かに「助けて」って言った……



ユイのその一言で……

止まってしまった俺の頭が

動き出した。